抜歯即時埋入(インプラント治療)|【公式】いしだ歯科・小児歯科クリニック|住吉区の歯医者・小児歯科

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歯科コラム

抜歯即時埋入(インプラント治療)|【公式】いしだ歯科・小児歯科クリニック|住吉区の歯医者・小児歯科

抜歯即時埋入(インプラント治療)

通常のインプラント治療では、抜歯した箇所の傷が回復してからインプラントを入れる処置をします。抜歯即時埋入(ばっしそくじまいにゅう)は、抜歯と同じタイミングでインプラント手術を受けられる画期的な治療法です。手術回数を減らせる、治療期間を短縮できるなどのメリットがあります。今回はこの抜歯即時埋入について、メリット・デメリットも合わせて解説します。

抜歯即時埋入とは

歯が 折れているなど歯根が残っている場合は、抜歯してからインプラントを入れます。抜歯即時埋入とは、歯を抜いた直後にインプラント手術をする方法で、上あごの前歯で行われることが多い傾向にあります。通常、抜歯後にインプラントを入れる場合は、細菌感染などを防ぐため、23ヶ月ほど待って歯ぐきや骨が回復してからインプラント手術を行うことがおおいです。しかし、近年の歯科医療の進歩により、抜歯と同時にインプラントを入れても適切に治療すれば、その後の経過に差がないことがわかりました。手術回数が少なく済み、治療期間も短縮できるといった理由から、近年は抜歯即時埋入で治療させていただくことも多いです。

抜歯時即埋入ができる場合

抜歯時即埋入をするには、以下の条件をクリアしなければいけません。

 ・治療箇所周辺にむし歯がない

・歯周病にかかっていない

・あごの骨の厚み・高さが充分である

・あごの骨に大きな欠損がない

・インプラントを埋め込んだ直後に、骨とインプラントが結合する可能性が高い

・噛み合わせや噛み癖に問題がない

・糖尿病など傷の治りに影響を及ぼす全身疾患にかかっていない

 このように、抜歯即時埋入は、歯や歯ぐき、あごの骨の状態などが良好でなければ受けられない治療といえます。

抜歯即時埋入の流れ

①診察・治療計画の説明

問診やレントゲン、歯科用CTなど治療に必要な検査を行います。あごの骨の量や幅、高さを測定し、患者に合った治療計画を作成。治療内容や期間、費用、メリット・デメリットなどを説明します。また、仮歯をつくるための型どりもします。

 ②抜歯

破損などでダメージを受けて使えなくなった歯を取り除くため、局所麻酔をして抜歯します。

 ③インプラント手術

抜歯した場所の洗浄・消毒などを行い、骨周辺をきれいにします。抜歯でできた穴の形をドリルなどで整え、歯根の代わりとなるインプラント体を埋め、すき間に人工骨を充填します。

 ④骨とインプラント体の結合を待つ

インプラント体と骨が結合するまで約36ヶ月待ちます。

 ⑤最終的なかぶせものの型どり

インプラント体と骨の結合を確認出来たら、最終的なかぶせものである人工歯の型どりをします。

 ⑥人工歯の装着

完成した人工歯を取りつけ、抜歯後即時埋入法によるインプラント治療は終了となります。

抜歯即時埋入のメリット

・治療期間を短縮できる

抜歯をした後そのままインプラントを埋め込むため、外科手術が1回で済みます。また、歯ぐきや骨の回復を待つ期間がない分、治療期間が短くなり、早期に噛む機能や見た目を回復できます。通常のインプラント治療の場合、10ヶ月ほどかかるのに対し、抜歯即時埋入の場合は4ヶ月程度で治療が完了するケースが少なくありません。

・身体の負担が少ない

歯ぐきを切開するなどの外科処置をすると、どうしても身体の負担が大きくなり、腫れや痛みといったリスクが生じます。抜歯即時埋入であれば、外科手術の回数が少ない分、患者の身体の負担を軽減できます。また、外科手術後は安静にする必要があるので、手術回数が減れば、その分行動に制限がある期間が少なくなるのもメリットです。

・骨の吸収をおさえられる

歯が抜けると噛むことによる刺激がなくなるため、時間が経つにつれ、歯を支えていたあごの骨が少しずつ吸収されていきます。あごの骨量が減った結果、厚みや高さが足りずに、インプラント治療の前に骨を増やす治療が必要となる場合があります。抜歯即時埋入の場合は、歯を失った直後にインプラントを埋め込むため、骨の吸収をおさえられます。また、骨量が多い状態でインプラントをすることで安定し、長持ちしやすくなります。

・歯ぐきがやせるのを防げる

抜歯からインプラントを入れるまでの間が空くと、あごの骨と同じく歯ぐきもやせていきます。歯ぐきがやせると、むし歯や知覚過敏、歯周病になりやすかったり、歯が長く見えるなど、さまざまなデメリットが生じます。抜歯してすぐにインプラントを埋め込むことで、歯ぐきの状態を良好に保つことが可能です。

・傷口の治りが早い

抜歯直後は自然治癒力が高まるため、2回にわけて治療した場合と比べ、傷口が早く治る傾向があります。痛みや腫れといった症状が早くおさまるのに加え、感染症のリスクの軽減にもつながります。

抜歯即時埋入のデメリット

・対応できる歯科クリニックが限られている

抜歯即時埋入は、感染リスクが高く、通常のインプラント治療よりも高度な専門知識や治療スキルが求められる方法です。そのため、対応していないクリニックも多いのが現状です。通常のインプラント治療と比べて歴史が浅いこともあげられます。

・細菌感染のリスクが高い

抜歯による傷口が回復していない状態でインプラントを埋め込むため、抜歯待時埋入よりも厳密な感染対策が重要です。細菌感染が起きると、異常な痛みや腫れが生じたり、インプラントと骨が上手く結合しなかったりする可能性があります。インプラントと骨が結合しない場合は、再治療などの処置をしなければいけません。高レベルの滅菌システムを備えた手術室がある、器具や歯科医師のグローブの消毒を徹底しているなど、対策をよりしっかりとしておく必要があります。

・適用できないケースが多い

抜歯即時埋入を受けるには、あごの骨の厚さ・幅が充分にあり、さらに全身の健康状態が良いなどさまざまな条件を満たす必要があります。そのため、適用しないケースも少なくありません。