ご質問(インプラントとMRI)|【公式】いしだ歯科・小児歯科クリニック|住吉区の歯医者・小児歯科

〒558-0033大阪府大阪市住吉区清水丘2-30-3 ZIOⅧ清水丘 1F

TEL06-6678-0822

WEB予約
ヘッダー画像

歯科コラム

ご質問(インプラントとMRI)|【公式】いしだ歯科・小児歯科クリニック|住吉区の歯医者・小児歯科

ご質問(インプラントとMRI)

インプラントをすると今後MRI検査を受けられなくなるのかというご質問をいただきましたので、今回はこちらにふれていきたいと思います。

MRI検査とは

正式名称をMagnetic Resonance Imagingといい、強力な磁石と電波によって発生する磁場を利用して、内臓の画像を撮影する方法です。放射線を利用しないので被爆の心配もなく、CT検査よりも鮮明に撮影できる方法だといわれています。しかし、非常に大きな音がする事や、時間がかかる点はデメリットとして挙げられます。併せて、金属類を身に付けているとMRIの撮影に悪影響が出るため、すべて外してからの撮影が基本です。そのためペースメーカーや人工内耳などの金属製の医療機器を体内に埋め込んでいる場合は、MRI検査が受けられません。また、磁場が強力なため、入れ墨やマスカラをしている場合にやけどの可能性があったり、MRI検査は狭い空間に横になったままで行うため、閉所恐怖症の人には難しい事もあります。つまり、インプラントをされている患者さんがMRI撮影を出来ないと思われた理由は、インプラントをペースメーカーや人工内耳などと同じ金属という理由から起きたことであると思います。

そして、インプラントしているとMRI検査できないと言われる他の理由として、インプラントの定義自体の問題も考えられました。インプラントとは、医療器材を人の体に埋め込む総称です。歯医者さんで打つインプラント以外にもインプラントと呼ばれるものは何個かあります。

・心臓ペースメーカー

・人工内耳

・神経刺激装置などの電子機器

・人口関節

・美容目的で入れるシリコン

などがあげられます。このうち心臓ペースメーカー、人工内耳、神経刺激装置などの電子機器が体内にある場合は、MRI検査ができません。MRIは強力な磁気を用いて撮影しますので、磁気に反応する金属が体内に入っていると、撮影が困難なだけでなく死亡事故につながる可能性すらあるからです。MRI検査で問題がある金属の特徴は、簡単に言えば磁石にくっつくかどうかの違いです。しかし、ほとんどの歯科用のインプラントを含むその他のインプラントは、非磁気性金属なのでMRI検査も可能です。また、金属によっては強力な磁場に入ると高熱を発することもありますが、チタンはMRI検査を受けても問題がないですし、ペースメーカーや人工内耳のように異常をきたすこともありません。

インプラントメーカーは日本国内だけで30社、世界全体で見れば100社以上存在すると言われています。一般的に採用されているインプラントメーカーは数社に限られますが、ごくまれにあまり聞きなじみのないメーカーのものを採用している場合もあります。信頼性がないわけではありませんが、ものによってはチタンではないものを使用している場合も考えられますが、極めて可能性は低いと思います。過去に他院でインプラント治療をされた方はどんな金属を使用したインプラントなのかを確認されることをお勧めします。

注意が必要な場合

・インプラントオーバーデンチャー : インプラントオーバーデンチャーとは、インプラントの上に入れる入れ歯のことです。インプラントオーバーデンチャーの中には、埋め込んだインプラントの先に磁石を取り付けてから入れ歯を入れるものがあります。磁石はMRI検査では故障の原因になったり、画像の乱れにつながったりします。当院が採用しているインプラントオーバーデンチャーのシステムは磁石を使用せず、ロケーターというものを使用していますのでMRI検査は可能です。現在インプラントオーバーデンチャーが入っている方は、もしもの時に家族にも知らせておく必要もあるので、治療してもらった医院に確認しておく事をお勧めします。

・医療用インプラント : 前述の通り、歯科インプラント以外にも医療用のインプラントが存在し、心臓・整形外科・美容などさまざまな場面で使われています。これら医療用インプラントを埋め込んでいる場合は、MRI検査の前に主治医の先生に問い合わせてください。採用される素材はさまざまです。鉄や銅などの人体に悪影響を与えるようなものはないものの、MRI検査では悪影響を及ぼす可能性のある金属の場合も否定できません。もし、知らないまま、確認しないままにMRI検査を受けてしまうと、MRI本体を壊してしまうことも考えられます。また、医療用インプラントの発熱などでやけどや重篤な故障につながる可能性も考えられます。自己判断はされない様にしてください。

なおインプラントにチタンが採用されている理由はMRI撮影を可能にする為ではありません。

・顎の骨と接合しやすい(親和性が高い)

・金属によるアレルギー反応が出にくい

・耐久性が高い

という理由があげられますが、結果的にMRI撮影ができるというメリットになっただけです。チタンは人体との親和性(生体親和性)が高い事が特徴ですが、一部の金属アレルギーの方の中にはチタンでもアレルギーがでる患者さんもおられます。

インプラントはCT撮影も原則受けられます。またよく勘違いされるものに、CT検査があります。どちらも身体の内部を断面で撮影できるもので、違いがあまりよくわからない方も多いと思います。CT検査は放射線を使用した撮影方法で、被爆リスクがある代わりに、立体的に撮影したい部分を映すことができます。インプラント治療の前は、顎の骨の状態を確認するために必ず撮影されるものです。CT検査はインプラントの有無や使用している素材にかかわらず撮影が可能です。

インプラントが原因でMRIを断られたら?

病院や放射線技師さん、主治医の先生によってはインプラントを勘違いしているためにMRI検査ができないといわれる事もあるそうです。そんな場合には、次の3つの方法で対処および確認をしてください。

①チタンであることを説明する

②上の被せ物だけ外してもらう

③まずは主治医の歯科医師に相談する

保険の金属とMRIの問題

保険の金属冠には金、銀、銅、パラジウムなどが含まれています。アレルギーの問題も心配されていますし、CTの画像の乱れにも大きく関わります。そしてMRIによる発熱の心配も懸念されています。磁気は浴びていない為、MRIの故障の問題にはならないと思われますが、いざ必要な時に撮影拒否をされる可能性もありますので、気になる方はご相談ください。