経過観察歯とは
- 2023年6月16日
- 虫歯
経過観察歯とは
どなたでも歯医者での治療はなかなか気のすすまないものであると思います。特に歯を削る際の恐怖感は体験したいものではないと思います。“むし歯が出来た=削らなくてはならない“と考えている方が多いと思いますが今は初期段階のむし歯は“削らずに経過観察をする“という方法が主流になってきています。今回はその理由と削ってしまうことによるリスクを解説していきたいと思います。
むし歯があっても削らなくてよいのか
以前の治療方法では小さいむし歯でも削りつめ物をするという治療方法が主流でした。しかし、歯を削った部分とつめ物の境目からむし歯になってしまったりつめ物の劣化によりさらに削ってつめめ物をやり直さなくてはいけなくなったりと二次カリエス(再度のむし歯)になる確率が高くなってしまうことがわかってきました。むし歯の初期段階である初期むし歯は、歯科医院では“CO(エナメル質が溶け出した状態“と呼んでいます。この状態であればその後しっかりと口腔ケアを続けることによりむし歯の進行を止められることがわかり、最近では初期むし歯であれば削らずに経過観察する方法が勧められています。
初期むし歯の治療方法
口腔ケアをしっかりと行う : 口腔内にひそむむし歯菌は食べ物などに含まれる糖をエサにして活動していきます。食後はしっかりと歯磨きをするクセをつけ初期むし歯を進めないような口腔状態にすることが大切です。また歯ブラシだけでなくフロスや歯間ブラシを使用し細かいところまで磨き残しを無くすことも重要です。甘い飲み物や食べ物をダラダラ食べたりと口の中に糖を長時間残しておくようなことも避けるべきです。
フッ素塗布
よく耳にするフッ素は歯のエナメル質を強化し溶けにくくするという効果があります。また再石灰化を促進する効果もあるので歯を丈夫に、むし歯の進行を止める役割をしてくれます。歯科医院での定期健診などでも希望すれば塗布してくれるので初期むし歯がある方はフッ素を使ってもらうようにされるとよいと思います。
定期的に検診に行く
初期むし歯と言ってもいつむし歯が進行するかわかりません。経過観察だからといって安心せず定期的に歯科検診にてむし歯の進行具合を確認してもらうようにしてください。また歯科検診ではクリーニングをしてもらえることがほとんどですので歯石の除去やブラッシング指導などむし歯の進行を防止することにもつながります。むし歯が進行しているようであれば早期の治療もできますので特に初期むし歯がある方は定期健診に行くようしてください。
初期むし歯と言われる状態はエナメル質が溶け出している状態であり正しく対処していけば進行を止めることが出来ます。歯にとっても削らない方が歯の寿命が延びますのでなるべく初期のうちにしっかりとケアしていくことが重要です。まずは歯科検診を受けて今のご自分のおく口状態を把握してくださいね!