暫間固定
- 2023年9月5日
- 歯周病
ざんかんこていと読みます。暫間固定とは、歯がグラグラと動揺している時や歯周外科手術(フラップオペ等)の時などに、隣の歯どうしを何本か一緒に固定してを安定させることをさします。これによって歯とその周囲の組織が、物を噛む力やブラッシングに耐えられるようになります。
暫間固定の目的
1. 歯の動揺を減少させる
2. 咬合力や咀嚼力を分散させ、動揺歯に作用する力を生理的範囲内に収める
3. 動揺歯の修復治癒を促進させるために,歯周組織の安静を確保する
4. ぐらつきを抑えることにより、食片圧入(たべものがつまること)を防止する
5. 歯の移動を予防する
6. 噛み合わせの機能や咀嚼機能を改善する
7. 不快感や疼痛を除去する
暫間固定を行うタイミング
1. 歯がぐらついて痛い時
歯周病のためにぐらついて、痛くて噛めないときには、すぐ行うと効果的です。固定することにより炎症も次第に安定して、腫れも引いてきます。
2. 歯周外科手術の時
歯周外科手術を行う場合、手術の前後の歯周組織を安定させて、手術に耐えられるように暫間固定をします。
3. 外傷の時
歯をぶつけて脱臼した場合も、動揺歯を固定して安定させます。
方法
1. 接着性レジン(プラスチック)で歯の間をつなぐエナメルボナドシステムをする。これが最も一般的な方法です。透明の接着剤なので、見た目にもわかりにくいです。
2. ワイヤーにより金属線結紮法をおこなう。歯の動きが激しい時は針金などを用いて固定します。
3. 連結冠による固定法をする。かぶせものを連結して作製し装着します。上記1や2の方法と比較して、とれたりすることがほぼありませんが、歯を削る必要があります。
期間
暫間固定法の適応期間は,症例により大きな差異がありますが、一般的に最低1ヵ月は必要であり、経過観察を行い、6ヵ月を目安として行います。その後さらに必要なら永久固定として連結冠などを作成します。