感染根管治療について
- 2022年12月20日
- 虫歯
感染根管治療について
感染根管治療(かんせんこんかんちりょう)とは細菌に感染して、歯髄(歯の神経のこと)が腐ってしまったり、あるいは既存の根管充填剤が汚染され、それらを除去し歯の根の治療をすることをいいます。歯の根の治療にはもう一つ抜髄がありますが、以前にも記載しましたのでご参考いただければと思います(歯の神経と治療方法)。
歯髄が腐る
むし歯菌による歯髄への感染、咬み合わせがあっていない被せ物、知覚過敏などが原因で持続的に歯髄が刺激されると歯髄炎(しずいえん)となります。さらにこの状態を放置しておくと、歯髄炎が進行して歯髄が壊死し、腐ってしまい感染根管となります。
歯髄が死ぬと神経組織がなくなるため、一時的には痛みがなくなります。しかし感染は静かに広がっていきます。
歯の根の先に膿が溜まり、腫れる
感染根管になってしまうと、繁殖した細菌は歯の内部の象牙質に侵入しながら、歯を支える歯根のまわりの骨を溶かして膿が溜ります。これを根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)と呼びます。炎症が広がると、歯根膜炎(しこんまくえん)をおこしたり、根尖病変(こんせんびょうへん)や歯根嚢胞(しこんのうほう)を形成します。
治療
腐った歯髄とその周りの汚れた歯根を同時に清掃しなければ溜まった膿は無くなりません。このような治療を感染根管治療といいます。汚れがなくなると膿は排出され症状は改善にむかいます。
根尖性歯周炎の症状の経過
根尖性歯周炎には急性期と慢性期があります。
・急性期
急性期は何もしなくてもズキズキ痛い状態です。
痛み止めを服用しても改善しないくらいの痛みがでます。その後歯ぐきが腫れ切開して膿を出さないといけないこともあります。
・慢性期
慢性期は普段は痛くないけれども、体調が悪いときなどに鈍痛が生じます。またものを噛むとひびいたり、おもたい感じがしたり、患歯の周りの歯ぐきにニキビのようなできものができることが多いです。またそのできものが腫れたり、潰れたり繰り返すことがあります。
根尖性歯周炎は臨床上よく遭遇する病気ですが、急性期には耐え難いほどの痛みを呈する病気でもあります。また炎症が強いほど麻酔薬も効きにくく、患者さんにとっても、歯科医師にとってもつらい病気です。異常を感じたら早めの受診をおすすめします。
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