患者さんに対する「痛み」への配慮
患者さんに対する「 痛み」 への配慮
私が研修歯科医のときでした。
大学病院などの大きな病院では、歯科においても歯周病科、補綴 ( ほてつ ) 科、歯内 ( しない )治療科といった具合に細かく科がわかれています。
研修歯科医 ( 研修歯科医の制度は現在義務づけられており、1年から場合によっては2年の研修をおこないます ) は様々な科に期間ごとに所属し、専門科において勉強、研修させていただきます。
ある診療科に所属していた時、とある教授が以下のようにおっしゃっていました。
「痛みは目に見えませんからね。しかしそれを見抜いて治すのが我々です。」
なるほど。確かに血圧や体温などは数値化され、どの程度なのかという判断がつきやすいのに対して痛みは、どのくらいと表現することはできても数値化するのはなかなか困難なことだなぁと思いました。
- ・寝られないくらい痛い
- ・めちゃくちゃしみる
などなど表現は多岐にわたりますが、痛みに強い方とそうでない方とでは、表現が同じであっても、そこに差があるかもしれません。
いずれにしても痛みを緩和する、なくすというのは我々の大きな役目でもあります。
歯科では治療の際に歯科用麻酔薬を使用する場合があります。
上記の教授の言葉を聞いた時、私はまず歯科用麻酔をほとんど痛みなく上手にできるようになろうと決意しました。
歯科用麻酔においても、もちろん針や薬液を使用します。
これらは
- ・針は極めて細いもの
- ・薬液の温度は体温と同等くらい
- ・薬液の注入はゆっくりと
こうすることで、歯科用麻酔の痛みはかなり軽減されます。
また針を刺す際にどうしてもチクッとなります。これは歯肉や粘膜に対して表面麻酔を用いることで、ある程度解消されます。
あとは我々歯科医師の熟練度と痛みを見る目です。
やはりどの部位に、どんな角度で、どのタイミングで注入すれば痛くなさそうか、という感覚は非常に重要であると考えています。
歯科用麻酔が嫌だ、緊張するという患者さんは多くおられるのではないでしょうか。
笑われるかもしれませんが、いつ麻酔をしたのかわからないような麻酔を心がけています。そして、あの頃の思いを忘れず、本来の痛みを治療するよう尽力したいと思っています。
これが私の患者さんに対する ‘ 痛みへの最大限の配慮 ‘ であります。
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