一歳半健診
- 2023年8月3日
- その他
今日木曜日は午後休診のため、歯科医師会により開催される一歳半健診の講義を受けてきました。今回は一歳半健診について解説したいと思います。
1歳半健診というと、「赤ちゃんの健康や発達の状態について、何か指摘されるかもしれない」と少し不安に思う保護者の方もおられるかもしれません。実際には、1歳半健診は赤ちゃんの成長をサポートする制度であり、保護者の方が普段の育児で気になっていることなども相談できる場でもあります。
1歳半健診は、正式名称を「1歳6ヶ月児健康診査」といいます。名称の通り、1歳6ヶ月になった赤ちゃんの健康状態を総合的に確認する制度です。1歳半健診と3歳児健診は、「母子保健法」という法律が市区町村に実施を義務づけている「法定健診」です。このため、原則として無料で受けることができます。1歳半健診の受診は、義務ではありません。しかし、赤ちゃんの発育や発達の状態を診てもらうだけでなく、普段の育児で気になっていることを医師や保健師などに相談できる機会でもあります。
1歳半健診の目的とは
1歳半に達する時期には、運動機能が発達してひとり歩きができるようになったり、言葉を盛んに話すようになったり、感情表現もできるようになったりと、心身の発達がより著しく現れてきます。このため、1歳半より前の健診では赤ちゃんの体の様子の確認が主な目的であるのに対し、1歳半健診では、赤ちゃんの体と心の両方の発達の様子を確認することが目的とされています。またこの時期には、脳性麻痺や精神遅滞、自閉スペクトラム症などの発達障害やてんかん、視覚や聴覚の異常などが発見されやすいとされています。このため、これらの疾患や異常を早期に発見し、適切な治療や支援につなげることも1歳半検診の大切な目的です。さらに、1歳半健診に限らず乳幼児健診のもう一つの大切な目的は、赤ちゃんの様子や生活習慣などについて、保護者の方が気になっていることに対して助言や情報提供をおこなうことです。
乳幼児健診では、医師や保健師、栄養士などが保護者の方の育児相談に応じてくれます。育児について相談できる人が周りにいなかったり、迷っていることがある場合などには、ぜひ1歳半健診をはじめとする乳幼児健診を活用してみてください。
1歳半健診の内容
1歳半健診の内容は、「一般健康診査」と「歯科健康診査」に分かれます。我々が担当させていただいている歯科健康診査については、「歯および口腔の疾病および異常の有無について行うものとする」と定められています。歯の生え具合や唇の閉じ具合、舌の動きや位置、むし歯の有無などを診察します。また、歯磨きの仕方の指導などもおこなわれます。
1歳半以降の健診
1歳半健診の後におこなわれる健診は、法定健診であれば「3歳児健診」があります。3歳ごろの時期は、体と心の両方で大きく発達が進む時期です。このため3歳児健診では、総合的な診察に加えて心理相談などもおこなわれることがあります。また、食事や歯磨きなどの生活習慣や、集団生活の様子などについても相談することができます。