むし歯や歯周病の” 予防 ” とは
- 2022年11月23日
- 予防歯科・クリーニング
むし歯や歯周病の” 予防 ” とは
予防というのは考えられる悪化に対して、事前にそなえておくことです。
例えば予防接種。インフルエンザの予防接種などはインフルエンザにかからないよう、あるいはかかったとしても重篤化しないようにという意味合いがあると思います。毎年接種されている方も多いのではないでしょうか。
これを歯科にあてはめてみますと、痛みや腫れなど、極力問題が生じないよう、メインテナンスやクリーニングを定期的にうけておくということになります。
むし歯治療などで行う歯を削る行為は、必要とはいえそれ自体が歯の寿命を短くするかもしれない危険性と隣り合わせであることを心に留めておくことが大切です。
むし歯などで歯を痛めない環境を作ることが、将来的に歯の寿命を伸ばすことにつながります。定期的な通院とメインテナンスが歯科における予防につながると思います。
これは歯を失う原因が歯周病やむし歯であることと大いに関係します。
一時の治療は必要であったとしても、その後できるだけ現状を維持した状態で過ごしていただけるよう、予防管理型のスタイルは非常に重要です。
では日本におけるメインテナンスの受診率はどうでしょうか。
8020 ( ハチマルニイマル ) という言葉をご存知でしょうか。これは平成元年に始まった80歳で20本の歯を残すようにしましょう!という運動です。
歯科予防先進国であるスウェーデンでは、歯医者さんへの定期受診率は大人で80~90%、子どもでは100%に近い数字です。アメリカでも70%と高い受診率となっています。これは日本のようにいわゆる保険治療がなく、問題が起こる前に予防しておかないと、治療費がかなり高いものになるという考えが浸透しているからだといわれています。
また日本よりも歯並びやお口周り、お口の状態を印象面で重視する文化であるため、予防意識が高いとされています。
80歳時点で平均の残存歯数はスウェーデンで20本、アメリカで17本、イギリスで15本。
日本は…
8本です。
平均ですので患者さんによっての差はもちろんありますが、明らかに少ない数字となります。予防意識つまりはメインテナンス受診率の差が明確にあらわれています。
しかしながら平成元年以来の8020運動も手伝い、またお口元の意識の向上もあり、年々残存歯数は増えつつあります。
予防と治療
「歯が痛くなってから歯科医院で治療する」のと、「歯が痛くなる前に歯科医院で予防する」のでは、どのような差がでるでしょうか。
それは「残存歯数」にあります。
つまり、高齢者になった時にどのくらい自分の歯を残せているか、ということになります。
「治療歯科」から「予防歯科」の推進に移行した欧米では、国民の残存歯数を圧倒的に伸ばすことに成功しています。日本でも、定期的に歯のメンテナンスを受けていた人は、80歳の時に20本以上もの歯が残っていたというデータもあります。
ここまでメインテナンスと連呼してきましたが、メインテナンスで通院していただく以上、我々にも歯を残す責務があります。メインテナンスには質が必要です。
当クリニックでは歯周病学会認定の歯科衛生士を携え、おおよそ2ヶ月〜6ヶ月に一度のメインテナンスを推奨しております。期間に差があるのは患者さんそれぞれ状態がことなるからです。お口の中は当然ながら一人一人異なります。我々専門家がその状態に応じて最善の提案をせねばなりません。
メインテナンス時に今回も何事もなかったよ!とおっしゃっていただけるのが我々の何よりの幸せです。
自身の歯で生涯を過ごしていただける手助けをできればと切に願っております。
【いしだ歯科・小児歯科クリニック 大阪 住吉区 住之江 堺 メインテナンス 予防】