お子さんの麻酔は何歳から?
- 2023年9月12日
- 小児歯科
子供さんはむし歯ができやすく、進行具合によっては麻酔治療が必要となることもあります。しかし、小さな子供への麻酔は本当に安全なのかと不安なことも多いと思います。今回は歯医者での子供の麻酔について、安全性や種類を解説します。
歯科治療でお子さんにに麻酔を使っても大丈夫?
小児歯科では基本的に麻酔なしでの治療を行います。軽度のむし歯であれば神経を刺激しないため、麻酔を使わなくても痛みを感じません。しかし、神経近くまで進行した重度のむし歯は、麻酔なしでは治療できないほどの痛みを伴います。多くの歯医者では小さなお子様の場合、進行止めのお薬を塗布し、麻酔が使える年齢になるまで様子を見ます。
麻酔は何歳から大丈夫か
麻酔は0歳から投与できると言われていますが、小さな体には麻酔が負担になることもあります。また、麻酔を使えば治療中に痛みを感じない反面、多くの歯医者で使用する局所麻酔は注射による痛みがあります。その痛みに耐えられず暴れてしまうお子様も多いのが現状かと思います。最低でも多少の痛みに耐えられるようになる、6歳頃までは麻酔は使わない治療が理想です。麻酔が必要になる前に歯医者へ来院し、治療を始めるのが最も良い方法なので、定期的な検診は習慣化されるほうがよいです。
歯科医院での麻酔のデメリット
多くの子供は歯科医院で初めての麻酔を経験することと思います。麻酔特有の感覚が苦手だったり、麻酔が体質に合わなかったりと様々なデメリットがあるかもしれません。子供へ麻酔を使用する際は、これらを理解した上で行うことが重要です。
・麻酔の注射が痛い : 多くの歯医者では、むし歯治療の際に注射器で麻酔を歯ぐきに注入します。歯ぐきに針を刺すため当然痛みがあり、ここで歯医者が嫌いになるお子様も少なくありません。
・治療後もしばらく効果が続く : 歯医者で使用する麻酔の効果は、1〜2時間ほど続きます。そのため治療後も麻酔が続き、そのしびれや違和感を不快に思うお子様も多いです。また不快感に加え、麻酔は感覚がなくなるので食事などにも支障をきたします。麻酔が効いている中で食事をすると、感覚のなさから舌や頬を強く噛んでしまい、怪我に繋がる可能性があります。
・アレルギーが出る可能性がある : 麻酔は稀に偶発症が出る可能性があります。これまでに以下のような事例が報告されているので、危険性についても理解した上での治療が大切です。
・アレルギーによるアナフィラキシーショック
・過呼吸
・神経原性ショック
・麻酔中毒
これらは実際に麻酔を投与してみないと起こるか分からないため、少しでもリスクを下げるためにもお子様が大きくなってからの使用のほうが良いかと思います。
・小児歯科で使われる麻酔の種類 : 麻酔には様々な種類があります。歯医者で最も多く使われているのが、注射器で麻酔を歯ぐきに注入する局所麻酔です。
歯科医院でのお子様への麻酔を最初から使用することは当クリニックでは基本的にはしません。重度のむし歯になる前に来院し、むし歯を治すのが理想的ではありますが、麻酔が必要な場合も表面麻酔等を用いて、限りなく無痛に近い麻酔をこころがけています。