リンガルアーチ
- 2023年11月14日
- 矯正歯科
主に小学生くらいのお子様に使用する固定式の矯正装置で、上の6歳臼歯(上顎第一大臼歯)を固定源として、上あごの内側に太いワイヤーを添わす形をしています。
リンガルアーチの適応
主に1~数本の歯を、2~3ミリの傾斜移動で治療可能な歯列不正に対して用いることができる装置です。当院では、前歯部の反対咬合に対して用いることが多いですが、その装置の形態から様々な不正咬合に対して応用させて使用することもあります。
前歯の反対咬合
・早期に脱落してしまった乳歯のスペースを失わないように固定する場合(保隙装置として)
・埋伏歯をけん引するための固定源として
など
リンガルアーチの構成
・装置を歯に固定するための「バンド」といわれる金属の輪っか
・左右のバンドをつなぐワイヤー(主線)
・動かしたい歯に力を伝えるためのワイヤー(補助弾線)
歯科医の手で調節を行うときは、主線が、バンドに溶接してある維持装置(STロック)から容易に外すことができるようになっています。しかし、患者さん自身や保護者の方は外すことができません。
リンガルアーチを使用する期間
軽度の歯列不正(1歯だけの反対咬合など)に対しては、早ければ半年ほどで終了できる場合もあります。不正咬合の程度によってはそれ以上の期間、使用することもあります。
リンガルアーチの注意点
装置の構造上、特に上の歯の内側に磨き残しが出ることが多いので、いつも以上に十分にハミガキを丁寧に行う必要があります。また、ガムやキャラメルなどの粘着性のある物を食べると、ワイヤーが変形することがあるため、矯正治療中は摂取を避けていただく必要があります。使用している装置で何かお困りのことがございましたら、いつでも当院へご連絡ください。