コンポジットレジン修復とは保険治療で行う白いつめ物のことを言います。小さいむし歯の処置などでは頻度の高い処置になります。昔の歯科治療ではただ疾患を治癒し、修復することを目的としていたようですが、時代と共に、修復するだけでなく審美性つまり見た目の良さを求められるようになり、治療法や歯科材料が見直されるようになってきています。

コンポジットレジンとは合成樹脂を主成分とした白いプラスチックのようなものです。昔は治療後の変色が早く、硬さも不十分なもので、色の種類も少ないものでした。しかし近年はセラミック粒子を配合させることにより、変色しにくく、色のバリエーションが豊富で、硬く機能的なものへと進化してきています。そのため審美的な要望の高い前歯だけではなく、奥歯においても活躍する範囲を広げています。

なんといってもコンポジットレジン修復の最大の利点としては治療時の削る範囲が非常に少ないところです。MI(Minimal intervention)という考え方が重要視される昨今ではコンポジットレジン修復の活躍の場面は多いですMI(Minimal intervention　ミニマルインターベンション)とは健康な歯を可能な限り残し、むし歯を管理するという考え方を指します。

むし歯治療においては“最小の侵襲“を意味する場合もあります。この考えは20年以上前から提言されていて、日本においても広まってきています。削らずに予防処置で経過観察して大丈夫なむし歯においては削らないことがベストではありますが、取り除かなければならないむし歯においてはまずコンポジットレジン修復が第一選択となる頻度が高いことと思います。

ただMIといっても適切にむし歯を取り除かなければなりません。削り過ぎはよくないことですが、削らなすぎてむし歯を取り残しては元も子もありません。適切な量の切削が重要な処置になります。コンポジットレジン修復はMIということから考えると良い治療方法ではありますが万能というわけではありません。強い力がかかるところでは欠ける可能性がある、セラミック治療と比較すると経年的な変色の可能性がある、歯と歯の接触点の回復には限界があることなどデメリットもあります。

どのような素材にも強度、審美性、生体親和性などのメリット・デメリットが存在します。適切な場所に適切な素材、治療法を選択することが重要です。まずは治療の選択肢についてお話を聞いていただければと思います。

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