舌の位置の意識
- 2023年5月6日
- その他
舌の位置の意識
普段、リラックスしている時の舌の理想的な位置をご存知でしょうか。おそらく人によっていろいろ違いがあると思います。舌が下顎の歯列にピッタリ収まっている方もおられると思います。一方、上下の歯をくいしばって舌を歯に押し付けている方もおられると思います。あるいは舌が上顎にくっついたままの方もおられるかもしれません。
私は電車で通勤していますが、電車などでスマホを見ている方はおおよそ下を向いています。この時ほとんどの場合でくいしばりを生じています。人はくいしばることによってストレスに対処しています。それはくいしばると神経からβ(ベータ)エンドルフィンという物質が分泌されるからです。
βエンドルフィンは脳内モルヒネとも呼ばれ鎮痛作用や幸福感をもたらす物質とされています。こんな良い物質ならどんどん出てほしいって思われるかもしれませんが、このような物質が日常的に大量に分泌されていると人はどうしても依存してしまいます。依存してしまうと、それを得るためにますますくいしばったり歯ぎしりをするようになってしまいます。
つまり、くいしばりや歯ぎしりなどの癖は、βエンドルフィンを得るために行っている行為であり、依存症になっている場合もあります。そうでない場合もありますが、くいしばることでストレスに対処しているのであれば、よほど日頃からストレスがたまっているか、スマホを眺めているその姿勢がストレスであるか、その両方のどれかかと思います。つまり今すぐに改善、対処できるのは姿勢となります。
そこで重要なのが舌の位置になります。舌の理想的な位置は、上顎にくっついている状態です。その時の舌の先端は、上の前歯の付け根の近くとなります。この位置をスポットといいます。
舌の先端がスポットにあたり、スマホを見るように下を向いていてもほとんどの人はくいしばることはありません。しかし、舌を下の前歯に当てて下を向くとくいしばってしまいます(※猫背になるとこれらの位置関係は逆になってしまい、それはそれで別の問題が生じます。)つまり、舌の位置次第で姿勢によるくいしばりが変わってきます。
舌が上顎にくっついている時は、モノを飲み込む時の動作に似ていて、などの方を塞いでいるので、口で呼吸することができない状態です。
鼻がつまっているときは仕方ありませんが、基本的に鼻呼吸が理想とされています。
ですので舌の位置を意識し、それを習慣化することで、口呼吸から鼻呼吸への変化があらわれます。これには良い点が多くあり、風邪をひきにくくなったり、ぐっすり寝られるようになったり、視界が明るくなったり、体温が上がったり、食べ物の味が鮮明になったり、疲れにくくなったりなどがあげられます。
特にこのような習慣付けは子供の方が改善しやすいですし、例えば矯正治療の一環として、筋機能訓練(MFT)も行うことが多いです。
歯並びの悪い人の他、虫歯や歯周病のリスク・全身疾患のリスクの高い人の多くは口呼吸です。だからこそ正常な舌の位置や正常な呼吸を理解していただくことは重要です。
もし口呼吸かなと思われたら、ぜひ試してみてくださいね!
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